50代になると男性も女性も40代よりさらに代謝が下がり、どうしても無駄な体重が増えてしまいがちです。ダイエットには筋トレが最適ですが、若い時のようなやり方でダイエット筋トレを行っても上手くいかないケースが少なくありません。
若い年代のダイエット筋トレと50代でのダイエット筋トレの相違点や気をつけるポイントを詳しく解説するとともに、具体的な自宅での筋トレ方法(自重・チューブ・ダンベル)をご紹介します。
なお、本記事では下記の公的サイトの情報に基づき記載をしております。
運動プログラム作成のための原理原則 -安全で効果的な運動を行うために
QOLの維持・向上に大切な筋肉は?
筋トレが有酸素運動よりもダイエットに対して有効なことは、これまでも何度も解説してきましたが、特に50代のダイエットに筋トレがおすすめな理由は以下の通りです。
①単位時間あたりの運動カロリーは、筋トレ≧有酸素運動であり、仕事に忙しい50代でも最短時間で効率的にカロリー消費ができます。一日30分程度でも十分に有効です。
②運動しない日でも筋トレの筋肉痛回復のために新陳代謝エネルギーとしてカロリー消費が発生します(有酸素運動は運動しない日はカロリー消費は発生しない)。代謝が落ちがちな50代にはとくに効果的です。
③筋トレをすると筋密度が向上し「太りにくく痩せやすい」基礎代謝の高い体質になり、リバウンドも抑えられます。何もしないと筋力が低下していく50代に筋トレをしておくと、60代、70代でも筋量が維持しやすくなります。
これらが、50代のダイエットに特に筋トレが有効な理由ですが、若い時と違い、ただやみくもに筋トレをするとかえって逆効果になる場合もありますので、ポイントを押さえてダイエット筋トレを行っていくことが大切です。
50代は筋肉の回復が20代、30代はもちろん40代よりもさらに遅くなることは多くの人が認識していますが、特に50代になると大幅に回復が遅れる身体の部位があり、それが「関節」と「靭帯」です。
なお、本記事では下記の公的サイトの情報に基づき記載をしております。
”効果的な運動プログラムを作成するためには、トレーニングの原理原則に従うことが大切です。また健康づくりのための運動プログラム作成の際には安全性を最重視する必要があります。(厚生労働省|e-ヘルスネット)”▼運動プログラム作成の原理原則
運動プログラム作成のための原理原則 -安全で効果的な運動を行うために
”立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常動作の基盤となる筋肉が、QOL(Quality Of Life:生活の質)に強い影響を与える筋肉といえます。具体的には太腿前の大腿四頭筋・お尻の大臀筋・腹筋群・背筋群があげられます。これらの筋肉を鍛えるトレーニングを継続的に行うこと、また日常から活動的な生活を送ることが大切です。(厚生労働省|e-ヘルスネット)”▼QOLに関する公的情報
QOLの維持・向上に大切な筋肉は?
50代のダイエットに筋トレがおすすめな理由
落ちがちな基礎代謝が向上する
筋トレが有酸素運動よりもダイエットに対して有効なことは、これまでも何度も解説してきましたが、特に50代のダイエットに筋トレがおすすめな理由は以下の通りです。
①単位時間あたりの運動カロリーは、筋トレ≧有酸素運動であり、仕事に忙しい50代でも最短時間で効率的にカロリー消費ができます。一日30分程度でも十分に有効です。
②運動しない日でも筋トレの筋肉痛回復のために新陳代謝エネルギーとしてカロリー消費が発生します(有酸素運動は運動しない日はカロリー消費は発生しない)。代謝が落ちがちな50代にはとくに効果的です。
③筋トレをすると筋密度が向上し「太りにくく痩せやすい」基礎代謝の高い体質になり、リバウンドも抑えられます。何もしないと筋力が低下していく50代に筋トレをしておくと、60代、70代でも筋量が維持しやすくなります。
これらが、50代のダイエットに特に筋トレが有効な理由ですが、若い時と違い、ただやみくもに筋トレをするとかえって逆効果になる場合もありますので、ポイントを押さえてダイエット筋トレを行っていくことが大切です。
50代のダイエット筋トレで気をつけるポイント
関節や靭帯に負荷の少ない種目と負荷回数設定で行う
50代は筋肉の回復が20代、30代はもちろん40代よりもさらに遅くなることは多くの人が認識していますが、特に50代になると大幅に回復が遅れる身体の部位があり、それが「関節」と「靭帯」です。
年齢に関係なく、筋トレを継続するのを断念する理由として多いものの一つに「関節や靭帯を痛めて筋トレができなくなる」というものがあります。筋肉は最大で72時間あれば、元よりも強く「超回復」しますが、関節や靭帯は痛めると数週間単位で時間がかかる上、「回復」するだけです。無理な筋トレを続けてていると関節や靭帯を痛めてしまう理由がここにあります。
50代ともなると、関節や靭帯を痛めると数ヶ月単位で回復をさせなくてはいけないケースも増えてきます。ですので、50代のダイエット筋トレで、最大に気をつけなくてはいけないことは、関節や靭帯に負担の少ない筋トレ種目を選ぶとともに、負担の少ない負荷回数設定で行っていくということです。
50代のダイエット筋トレの負荷回数設定
ゆっくりとした動作で20回の反復で行う
ダイエットのために筋トレをする場合にターゲットとなるのは、鍛えても筋肥大せず筋密度が向上するだけの遅筋(持久筋)です。遅筋は1分以上の継続的な収縮で鍛えられるので、筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくる負荷回数設定でトレーニングしていきます。
若い人は、少々反動を使ってでも、30回、40回と回数をこなしたほうが効果的なケースもありますが、50代でその方法をとると、関節や靭帯に大きな負担がかかってしまいます。
50代のダイエット筋トレでは、回数を増やすのではなく、ゆっくりとした動作のスロートレーニングで、じんわりと筋肉に効かせていく方法のほうが、怪我をせずに継続するという観点からも最適です。なお、ボディーメイクとして筋肉をつけたい場合は正しいフォームでじっくりと効かせながら15回の反復で行うのがベストです。
50代むけの筋トレ種目
プッシュアップバーでの腕立て伏せ
上半身の押す自重トレーニング種目として50代に最適なのが、プッシュアップバーを使って手を平行に構える腕立て伏せです。これは、手首関節と肩関節への負荷を軽減するのが理由です。
まず、プッシュアップバーを使うことで手首を伸ばした状態でトレーニングができるため、手首関節への負荷が大幅に減少します。また、手幅を狭めて平行に構えることで、肩関節への負荷を大きく減少させることが可能です。
ハンマーグリップダンベルプレス
上半身の押すダンベル筋トレとして50代におすすめなのが、ダンベルを平行に保持して行うハンマーグリップダンベルプレスです。
通常のダンベルプレスは、しっかりとしたテクニックと上半身の柔軟性がなければ、かなり肩関節への負担がありますので、これもやはり、肩関節への負担を軽減させられることが最大の理由です。
なお、ベンチ類がない場合は、床で行っても一定の効果は得られます。
ダンベルのかわりにチューブチェストプレス
自宅にかさばるダンベルを置くのはちょっと、と感じる方にはトレーニングチューブを使ったチューブチェストプレスがおすすめです。
こちらが、もっとも基本となるチューブチェストプレスのやり方で、正面に腕を押し出します。これにより、大胸筋全体と三角筋・上腕三頭筋にまんべんなく効かせることが可能です。
また、女性の場合、チューブチェストプレスをバストアップ&リフトアップに有効な大胸筋上部に効かせるためには、大胸筋上部が強く作用する「体幹に対して腕を斜め上方に押し出す」軌道で行う必要があります。
また、大胸筋を最大伸展させて効率的にトレーニングするためには、動画のように左右交互に腕を押し出すオルタネイトスタイルで行うことをおすすめします。
斜め懸垂・インバーテッドロー
上半身の引く筋肉の自重筋トレとして、50代に最適なのが斜め懸垂・インバーテッドローです。通常の懸垂よりずいぶん強度が落ちる分、ゆっくりとした動作のスロートレーニングで鍛えることが可能です。
また、この動画のように、自宅の机を流用して斜め懸垂を行うことも可能です。
なお、斜め懸垂でも動作がきついという方は、このようにドアにシーツを挟んで緩やかな角度の斜め懸垂を行ってください。
ライイングダンベルローイング
上半身の引く筋肉のダンベル筋トレとして50代に最適なのが、この動画のようなライイングダンベルローイングです。腰への負担を完全になくし、背筋の収縮に集中することができます。
チューブローイング
ダンベルローイングのかわりに、トレーニングチューブを使った引く動作で背中の筋肉を鍛えることも可能で、なかでも、この動画のようなチューブローイングは「上から腕を引く動作」になるので、腰への負担が少なくおすすめです。
四の字クランチ
腰への負担が少なく、腹直筋と腹斜筋を同時に鍛えられる、50代におすすめの腹筋運動がこの動画のような「四の字クランチ」です。
椅子スクワット
50代におすすめの下半身の自重トレーニングが椅子を使ったスクワットです。椅子に腰掛ける軌道でスクワットを行うことで、膝関節に負担のない動作ができます。また、椅子があることにより、過度に腰を下ろすことも防止できます。
ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグエクステンションは、数ある下半身のダンベル筋トレのなかでも、各関節への負担が少ない種目で、50代におすすめです。反動を使わないことと、状態を後ろに傾けると腰に負担がかかることに注意してください。
チューブレッグプレス
ダンベルのかわりにトレーニングチューブで下半身を鍛えることも可能で、なかでもチューブレッグプレスは下半身全体に効果があるのでおすすめです。
チューブレッグプレスでもっとも大切なポイントは、つま先を膝よりも高い位置に上げたままセットを行なうことで、軌道としては斜め上方に足を押し出す方向になります。
これが、斜め下方に足を伸ばすような軌道で動作すると、太ももの筋肉に負荷が余りかかりませんので注意をしてください。
50代のダイエット筋トレの一週間の組み方
代謝が落ちぎみの50代のダイエット筋トレは、回復にも重点を置く必要があります。若い頃と同じように、週4~5回の高頻度でプログラムを組むと、回復が追いつかず、疲れがたまり筋トレ自体が継続できなくなることめ考えられます。
全身の筋肉を三分割して、週三回のスプリットトレーニング(部位分割法)で行うのが適切で、具体的には以下のようになります。
①月曜日:上半身の押す筋肉+腹筋
腕立て伏せやダンベルプレスを3~5セット
四の字クランチを2~3セット
②水曜日:下半身の筋肉
椅子スクワットやレッグエクステンションを3~5セット
③金曜日:上半身の引く筋肉+腹筋
斜め懸垂やダンベルローを3~5セット
四の字クランチを2~3セット
※あくまで目安ですので、体力に合わせてセット数は増減させてください。
50代のダイエット筋トレにおすすめの食事
若い頃は、筋トレや運動をして新陳代謝を上げるだけでも体重が減るケースが少なくありませんが、50代ともなると、食事への配慮も大切です。特に豆腐やささみ肉など、低カロリーのタンパク質をしっかりと摂ることが重要で、タンパク質不足になると、ただでさえ落ちてきている基礎代謝がさらに悪くなり、筋肉痛の回復が大幅に遅れてしまい非効率です。